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Tue.

八日目の蝉

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八日目の蝉



去年、「mother」というテレビドラマを見てました。
毎回毎回、涙がポタポタと流れました。
ここ最近のドラマでは、最高のクオリティだったと思います。
”女性が子供を誘拐する”というくくりで見れば、おんなじ範疇の本作です。
しかし、内容に関しては、少し印象が違いましたね。

ちなみに「蝉」。
俗説では、誕生からずっと土の中のみで暮らし、地上に現れてから7日間で命を落としてしまうとされている。
実際は地中で3~17年も生活し、地上に出てからも1ヶ月程度生きているらしいです。(←意外と長生きじゃん!)
本作では
みんなが死んでしまっているにもかかわらず、自分だけは生きているという孤独な存在という捕らえ方から、ほかのみんなよりも、美しいものを多く見ることが出来た存在という風に比喩されています。


さて、冒頭は
裁判で、証言をする被害者の母親。
生まれてすぐに誘拐された娘が、4年後にやっと戻ってきた。
その犯人に対しての罵倒を繰り返す。
場面は変わり、娘との再会のシーン。
男の子のような格好した女の子。
実の母親に逢えたにもかかわらず、緊張と戸惑いと恐怖からか、おしっこを漏らしてしまう。
再び、法廷での母親の証言。
「あいつは全て奪った。エリナちゃん(娘)の肉体だけでなく心を奪った!」
犯人は、夫の浮気相手。
再び法廷。
次は犯人の証言。
不倫しており、妊娠したが男にうまく言いくるめられ、堕胎してしまう。
そして、二度と出産できない体に…。
同時期に妊娠出産した本妻から、夫と別れるようにと様々な嫌がらせを受けた。
そして、裁判長が被告に呼びかける。
しかし、彼女の口から出た言葉は反省の気持ちなどはまったく感じられなく、自分に子育てというモノを体験させてくれたことに対して、被害者夫婦に対する感謝の気持ちを伝える言葉のみであった。
色々考え、出産したばかりの赤ん坊をみれば、もう別れる決心がつくだろうと思い行動に出る。
雨の振る中、傘をさしながら、坂の上にある家を見ている犯人。
夫妻が、赤ん坊を置いてちょっと出かけたすきに、家に忍び込む。
室内に入ると、二階から泣き声が聞こえてくる。
部屋はだいぶ散らかっているようだ。
彼女は二階に上がり、赤ちゃんの様子を覗き込んだ
大声で泣いていた赤ん坊が、泣くのをやめ、微笑み始める
彼女は、そっと抱き上げてしまう。
そして降りしきる雨の中、二人の逃避行が始まる。


うーーん……?……。

正直、乗り切れませんでしたねぇ。

まず、被害者夫妻の奥さん。
はじめっから、なんかおかしいんですよねぇ。
赤ちゃんを一人置いたまま、出かけてしまったりするし…。
なんか、家の中散らかしっぱなしだし…。
夫が浮気したにもかかわらず、浮気相手のみをあれほど罵倒するし…。
せっかく戻ってきた娘が、自分になつかないからって、無茶苦茶ヒステリックになり、結果子供の心を傷つけるし…。
こんなおかしな奥さんだから、子供を奪われちゃってもいいの?
いやいや!いいわけがないよね!
なぜ被害者の母親を、中途半端な悪役にしたてたの?
娘が誘拐された後、そう変わってしまったというだけならもっと母親の悲しみが伝わってくるのに…。

ちなみに「mother」では、シングルマザーで最初は必死にがんばっていた母親だったが、あることをきっかけに力尽きてしまい、挙句の果てに、わが子をゴミ袋にいれ、ゴミ捨て場に持っていくまでに変わってしまった。
この状態は、誰が見てもこの母親の下に子供を置いておいたら、この子の命が危ないと感じるのは明白なのだが、本作はそれが異常なまでに中途半端なのだ。
母親は、この中途半端な悪役のせいで、観客は味方になりきれないし、敵にもなりきれない。


本妻に、ひどい言葉で罵倒され不倫相手には裏切られ、自分は妊娠できない体になってしまったからって、誘拐していいの?
いや、ちがうよね。
違う違う。ぜんぜん違う!

やっぱり感情移入できない!

「mother」は、被害者の母親の立場が本作と違い、結果誘拐犯になってしまった女性に対して、感情移入が容易だった。
”犯人がおかしい”のはいいが”被害者の母親も中途半端におかしい”としてしまうと、その部分が困難だ。

この物語で感情移入するべきは、ほんとの被害者である子供本人。
エリナちゃん以外にないんだよね。
「だってあんた何にも悪くないじゃん!」って小池栄子のせりふが全て。
だから監督はこの子メインの物語に仕上げてきたんでしょうけど…。

あと、逃避行の際の子供のIDに関してもまるで描かれていない。
具合が悪くなったりすれば、病院にも行かなければならないだろうし、成長していけば、教育も受けなければならないだろう。
そういったときに、必ずIDが必要になるのは明らかで、その辺の葛藤をまるで蚊帳の外のように描いていたのは、かなりの違和感を感じてしまった。
「mother」はしっかり向き合ってました。

その辺の理屈や描写不足が、ややのめりこめなかった要因だと思いました。
そこんとこ、原作はどうなんでしょうね?


じゃ、この物語って何が言いたいの?
一言で言えば”女性の母性”。
”向かう先の間違った母性”であっても、子供にはその大きな愛は伝わる。
いや、伝わってしまうというべきなのかも。

まるで、同情の余地のない犯人だが、犯人の子供に対する愛情は純粋で汚れのない感情。
その大きな愛情を受けた子供は、やはりそれが忘れられない。
自分自身、封印していたが、その暖かかった包容は安らぎを与えてくれていたことを、改めて認識する。
そして、最後に自分は間違えないようにしようと決意する。

女性の母性が、自分の子供以外に向けられたときに起こる、悲しみ切なさはひしひしと感じた。
どんな状況にしろ、汚れのない愛情には感動してしまう。


いろいろ文句もつけてきたが、実際この映画の魅力は女優たちの熱演に尽きると思う。

まずは永作博美。
子供に向けるやさしさに満ちた表情、子供を守る凛々しい表情、しかし不安いっぱいで頼り無さげな表情、どれをとっても完璧に演じてました。

次に井上真央。
彼女が、こんな演技が出来るとは知りませんでした。
非常に複雑な状況におかれた、複雑な感情を持ったキャラクターをしっかりこなしてました。

そして最高だったのは小池栄子。
この人は、ほんと芸達者ですね。
何をやらせてもうまいなあ。

森口瑤子、余貴美子もすごく良かった。

でも上の二人は、ヌードに関しては拒否したようですね。
明らかにおかしな格好で、不自然極まりないシーンになってしまっていました。(野暮ったいシーンになっちゃった)
永作さんは、そこを思い切ればアカデミー賞確実だったかもしれません。
残念ですね。

良い悪いが隣り合わせのレビューになってしまいましたね。



さて、今回の評価ですが、


1650円です。


確かに、上質な映画であることは間違いありませんが、脚本なのか原作なのか、とにかく物語が足を引っ張ってしまってましたね。


だいぶ「mother」と比べちゃいましたね。
それだけ、私は「mother」がお気に入りだってことですねぇ。(笑)



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